代官山日乗

自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る。

役に立たない代官山ガイドブック:駅前の珈琲屋台

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代官山で一番好きな風景の一つ。

 

どこへ行くのもほとんど徒歩だし、たまに電車に乗る必要がある時は渋谷駅を使う。

8年住んでいて、代官山駅は数えるほどしか使ったことがない。駅に来るのはここのコ珈琲を飲むためだ。

 

駅前の駐車場にとまった小さなバンとその横の椅子に囲まれたスペース。恵比寿まで歩く途中に寄ってカプチーノを頼み、お店の人と話す。夏の会話は「暑いですねぇ」で冬の会話は「寒いですねぇ」。春と秋は「最近代官山も若い人が増えましたね」と「忙しいですか」で過ぎていく。この街に若い人が増えたのは越してくる前からだし、お互いいつもたいして忙しくないことはわかっている。

 

後ろに人が並んでくると椅子のスペースで軽く珈琲を飲む。別に歩きながら飲んだっていいんだが、この小さな空間がやけに落ち着く。それに座って飲むと珈琲の香りが楽しめるのがいい。ただぼぉっとうまい珈琲を飲む、ほんの10分程度の時間。それをもっと味わいたくて朝から珈琲を我慢することもある。

 

この場所は、私の代官山生活を刻む句読点なのだ。