2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧
東京ほどセレクションの多い街はない。手間さえかければ世界中のほとんどのものが手に入るし、その手間も実はそれほどたいしたものではない。難しく、時間がかかり、楽しくもあるのは何を選ぶのかという選択にある。必要なのは自分なりの見識で(それも借り…
鮮やかな赤や優しい黄色が織り成す模様の間に深い緑の地が垣間見える。雄雄しい刺や様々な形状、サボテンの魅力は色々あるが色彩の美しさならこの緋牡丹錦は五指に入るだろう。 本来緑である部分に別の色が入ったものを斑入り(ふいり)という。突然変異によ…
朝カメラを持って散歩していたらセールの文字ばかり見つけたので写真を撮った。 近頃のセールは早く始まって随分遅くまでやっている気がする。 セールの表現も色んなのがある。 SOLDESって最初フランスに行った時は意味がわからなかった。 でも最近の人は日…
ふたりのヌーベルヴァーグ / 監督:エマニュエル・ローラン 2010 パリで学校に入って最初の自己紹介で映画が好きだ、特にヌーベルヴァーグと言った。 それからことあるごとに教授から「君、ジャン・ユスターシュのママと娼婦は何年だったかね?」といった質…
江戸時代、天明六年(1786年)初出の奇鈔百圓という古銭書。 地唄の作曲家で古銭研究家である河邨羽積(かわむらはづみ)が著した。 中身は今でいうコインカタログで多くの古銭の拓本が並んでいる。面白いのは外国コインがいくつか紹介されていることでモゴ…
LOVE ON THE LEFT BANK / Ed van der Elsken エルスケンを知ったのは高校時代に出会った「巴里時代」という写真集だった。 セーヌ左岸の恋を再構成したものだ。 その中にエルスケンのセルフポートレートがあった。 私は知らない土地で暮らすことに憧れ、東京…
美しいサボテンといえばこの株だ。 たくさん稜がでるという意味のムルチコスタータだが、千波万波(せんぱばんぱ)という和名で呼びたい。 エキノフォスロカクタスの中でも抜群に稜が多いこのサボテンはまさに寄せては返す波のように複雑な表面をしている。…
エアプランツは茎が極端に短く根を持たない。空中の水分を葉から吸収して成長する。 恐竜みたいな名前のこのエアプランツは、名前に似つかわしくない清楚な紫の花を突然咲かせ、短い出張から帰ってくるとまた突然花を終わらせてしまった。 花が終わってから…
代官山で一番良く行く店といえば、そばの朝日屋だ。 そもそもこの辺りには本気の飲食店かコンビニしかない。そしてそのコンビニもつぶれてしまった。暮らすというのは何もない日常を繰り返すことで、毎度毎度洒落た飯を食べるわけにもいかない。その点朝日屋…
アロエと言えば、ヨーグルトに入ったりしてヘルシーな植物のイメージがあるが、この鬼切丸はどうだろうか。 固く締まった肉に鋭い刺を持ち、脇の葉は枯れてなんだが古豪の風格がある。 和名の鬼切丸は大江山の鬼退治に使われた刀の名前からきている。酒飲み…
烏羽玉は黒や闇にかかる枕詞だ。しかし、この刺がないぼやっとしたサボテンは全然黒くなく、白っぽい緑色をしている。たくさん子を吹く性質で気がつくと新しいのが出ていたりしてのんきに見えて意外に活力も旺盛だ。 察するに、このおどろおどろしい和名はこ…
花が終わったラウシー。 細い台木の上で大小の個体が群生している。昔からある大きなものは後から出てきた新しい小さな個体に押され、端のほうがひしゃげ白く変色している。そのため、この株の特徴的な赤とグリーンに白が加わり、複雑な色相を見せて面白い…
結局引っ越していない。 面倒だがやる必要があることは、やる必要はないがとてもやりたいことにいつも負けてしまい、前の投稿から半年以上たった。ブログを書くというのはやってみたいが面倒なことで両者の中間に位置する。さすがに引っ越しの準備を始めない…