代官山日乗

自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る。

人の行動を決定する3つの要素について

人の意思決定は主に感情が影響し、論理がそれを補強したり検証したりする。

いくら理屈が通った話でも感情が働くー快の報酬につながらなければ人は意思決定しない。物を売るには商品の価値だけでなく、ストーリーが必要なのはそのせいだ。

 

一方で意思決定されたことに対して行動はしばしばそれを裏切る。

英語がはなせるようになれば商売でも有利だし、話してる自分は素敵だなと想像して毎日勉強する!と決めてもなかなかそうはならない。必要だと思って買った本を読まなかったり、転職すると決めても腰がなかなかあがらなかったり、意思決定と具体的な行動は必ずしも一致しない。

 

なぜかと考えてみると、どのような行動をとるかということに自由意思はあまり貢献しないのではないかというのが私の実感だ。

 

行動に大きく影響するのは、大きくわけて3つある。身体状況と環境、それに習慣。

身体状況は文字通り肉体がどうなっているかだ。体調だけでなく、テストステロンやセロトニン、インスリンのレベルが保たれているかどうか。我々は肉体の支配から逃れるのは難しい。身体のバランスを欠いた状態で新しい行動を起こすのは不可能に近い。

 

環境は、身の回りのセッティングだけでなく、交友関係、使える時間を含む外的要因だ。我々は自主的に生活を組み立てているように見えて案外、環境に適応しているだけのような気がする。新しい行動を生活に組み込むには、それを行える環境を用意する必要がある。

 

習慣については多くが語られている。人間は習慣の動物であることは間違いない。多くの情報を処理しつづけることはコストがかかるので、パターン化することでそれを避けている。昨今のネットサービスはそのことをよくわかっていて人に習慣化させることを競っている。新しい行動を習慣化するには既存の習慣を改変しなければならない。

 

何か目標を立ててそれを実行しようとするなら、決意を固めるよりもこれら3つを整えた方がよい。身体をメンテナンスし、環境をつくり、今の習慣を一つやめて新たな習慣を加える。人にはものすごく現状維持バイアスが働くので具体的な作業の積み重ねでしか行動を変えていくことはできない。